2010年9月22日水曜日

前回の文章での私の失敗および謝罪

このブログの前回の文章(12日付)における
特に尖閣諸島問題に関して、
副島隆彦先生のサイト「副島隆彦の学問道場」において
無根拠の”陰謀論者”の文章であるとのご指摘を受けました。

その後、新聞や書籍などで調べた結果、
先生の仰る通り、この私の推測は間違いでありました。
文章を書くことの基礎ができていない事を痛感しました。
この件での私の失敗及び過失を認め、
これまで、先生の論理構成を勝手に使用してきた事を謝罪します。
前回の文章は、本来は削除すべきではありますが、
私の行為の証拠として残しておきます。

私(文章を書いている本人)は、
秋田県在住の梅澤という者です。
諸般の理由で、これまでメールでの挨拶ができませんでしたが、
近く、正式の謝罪文を送ることにします。

これまでのご無礼、申し訳ございませんでした。

(追記)
考えた結果、前回の文章を削除することに致しました。

2010年9月4日土曜日

小沢一郎氏のテレビ出演を観た感想(特に内需拡大政策、地方自治について)

3日(金)小沢一郎前幹事長が、
テレ朝「スーパーモーニング」とNHK「ニュースウォッチ9」に
出演したのを観た。

テレ朝の方は、寝不足で頭がボーッとしていたせいか、
鳥越俊太郎氏や週間朝日の山口編集長と小沢氏のやりとりを観て
「あぁ、朝日新聞系にもまだ船橋体制に対する反抗分子が
 いるんだな。一応、政治とカネの問題には触れてはいるけど
 他の番組よりも小沢氏の良い部分を引き出してはいるな」
という記憶だけが残った。

NHKの方は、司会者や記者に対する小沢氏の回答を観て、
気になった箇所が大きく2つある。

1つ目は、これはテレ朝でも同じことを言っていたが、
小沢氏が経済政策について質問を受けた際に、
「これまで日本は外需(特にアメリカと中国)に依存しすぎてきた。
 アメリカが風邪をひいたら日本も風邪をひく。
 これを改めて、これからは内需を振興していくべきだ」
という趣旨の発言をした。
これは一般の人でも解るように平易な言葉で語ってはいるが、
極めて重要な発言だなと私は思う。
これよりももっと良い表現があるかもしれないが、
小沢氏は、ある意味で「柔らかい一国ブロック経済」を指向している
のではないだろうか。
この発言は、2000年代半ば頃から始まった、
世界規模での資源と技術の争奪戦の時代における
祖国防衛の思想であり、日本のサバイバルの方向性を示した
ものともとれる。
ただし、これは竹中平蔵一派、みんなの党、自民党上げ潮派及び
幸福実現党とは原理的に対立する思想だ。
小沢氏が代表選に勝利して政権に就いた場合、
この部分での彼らとの対立が予想される。

2つ目は、
司会者の「では、内需拡大のための財源は?」との質問に、
小沢氏は福井県の自治体の例を挙げて、
「自治体が道路の融雪パイプのための予算をお願いしたら、
 中央の役所に、誰も利用しないスキー場と抱き合わせなら
 予算をやると言われて、両方作らされた。
 スキー場のほうは最近閉鎖されたはずだ」と、
行政のムダを列挙して、
地方自治体に予算と権限を移したら、今までの5~7割で
今までより効率的で良質な行政を行うことが可能であると力説した。
それについて司会者が、
「自治体首長の中にはとまどいが広がっている」と言うと、
小沢氏がすかさず「そう言う首長はなんのために要るのか?
 首長をやっている資格は無い」と答えた。正論である。

小沢氏は本心では「仏作って魂入れず」で、
ただ単に自治体の数が減っただけで失敗に終わった
平成の大合併(これも最初の案は小沢氏が考えた)に変わる
地方自治制度の再編プランを考えているのではないだろうか?
それは、単純な道州制ではなく、
より複合的なヨーロッパ型の地方自治制度を
日本的にアレンジしたものになると考えられる。
ただし、このプランは小沢氏一代で実行するのは不可能に近い。
この理念は小沢氏の後継者(多分、原口総務相もその一人)に
ちゃんと引き継がれるのだろうか?
もし実行されるのであれば、平成の大合併のような
自民党時代の薄っぺらな地方政策よりも国民全体の利益にはなる。

NHK政治部の赤岩勇二記者の質問と最後の結びは最悪だった。
自分の言葉で語る小沢氏に対し、
「政治とカネ」がどうこうだの紋切り型の官僚の作文みたいな
質問ばかりして、
最終的には、小沢氏が財源は現状のムダを省くだけでも
十分可能と力説していたにもかかわらず、
「小沢氏の主張には財源の裏付けがない」などと
ディベートの流れを全く無視したバカな発言をしている。
本当は、私は「政治とカネ」と言う人間は偽善者ではないのかと
思っているのだが、あまりにも長くなるので
今回はここまで。

2010年9月2日木曜日

駐車場で衝突事故

昨日(1日)の昼すぎ、近くのホームセンターの
駐車場の通路を軽自動車でゆっくり走っていたら、
いきなり左側から軽トラックが突っ込んできた。
ケガは無かったが、車の方は左前タイヤが斜めに歪むほどに
ヘコんでしまった。
相手は70代前半のオヤジで、
こちらがいくら怒ってもしらっとしていたので、
そのうちに、逆にこちらが冷静になり
警察に電話をかけて検分をしてもらう事に。
警官2人と合計4人でやりとりをしている中で、
時速何キロ出していたのか質問されて、
こちらが約20キロぐらいと言った後に、
オヤジが10キロと言ったりして、
やたらと自分には責任は無いかのような態度をとったことに
対してこちらは余計にムカついた。
こちらのメガネが飛んだり、
荷物が散乱するほどの衝撃を受けたのに
10キロはないだろう。
もっと出していたのではないのか?
しかも、ブレーキすらかけずに突っ込んだはずだ。
(追記 警官は、その場で両方の言い分を聞いた上で、
 オヤジのほうに「貴方の方が悪いですよ」とは言っていた)

車の左前部分が歪んでしまったので
修理には出したが、しばらくショックから立ち直れない。
しかし最近思うけど、これは田舎に顕著な事なのかもしれないが、
高齢ドライバーの運転があまりに荒っぽい気がする。
特にオバさんのマナーは悪いと思うが、
基本的には男女問わず運転が荒いと感じる。
今回は、自分がこのとばっちりを受けてしまった。
本当に不愉快で仕方がない。
ショックでしょうがないけど、何とか立ち直らねば。
またしばらく更新のペースが鈍るかもしれないが、
民主党代表選ネタでは思ったことは書いていこうと思う。

早速だが、報道では樽床グループは今のところ
態度未定らしい。
両候補の決起集会の出席者名簿にも載っていないから
多分、本当なのだろう。
やはり、樽床伸二氏は平成の小早川秀秋のようだ。
あと、小沢陣営の決起集会で、
小沢氏の後ろ隣りに羽田孜元首相がいたのは印象的だった。
相当体調が悪そうに見えたけど、
小沢氏との仲は今でも続いているようで安心できた。
羽田グループは分裂状態だけれども、
羽田氏自身は小沢氏支持のようだ。

これまで、悲観的な見通しばかり書いてきたけれども、
小沢氏が決起したのだから、
(まだ事故のショックは残っているが)
なるべく応援していこうと思っている。
菅総理陣営が勝ったら地獄の大増税が待っている。
現に最近でも、菅総理のブレーンの学者たちが
増税推進の活発な動きを行っている。
私は彼ら増税推進派の動きをこれからもチェックしていく。

2010年8月28日土曜日

反小沢報道始まる、そして樽床グループに対する懸念

小沢一郎前幹事長が出馬表明をした翌日の
27日(金)の朝日新聞で、
早速、反小沢ネガティブキャンペーンが開始された。
3面に「あいた口がふさがらない」、
1面では、朝日の実権を握る
船橋洋一氏の子分である星浩編集委員が、
上から目線で「小沢氏は「表の政治」に徹せよ」とある。
しかも、挙げ句の果てに7面で
「菅さん、「消費増税」揚げ直しては」と、
あからさまに菅総理陣営を焚き付けている。

産経の側から来るとは思っていたが、
多分、産経は韓国がらみで菅と小沢の共倒れを
狙っているのではないか?
産経よりも朝日のほうがより露骨に反小沢の姿勢が強かった。
まあ、これからの半月間、
新聞、テレビなどでさらに激しい
反小沢ネガティブキャンペーンが繰り広げられるのだろうな。

そういえば、最近の各種報道で表示される
民主党内の勢力分布図を見ていて気になったのが、
「樽床グループ(15~20人)」である。
(メディアによって人数が異なる)
他にも、新聞の政治面の隅にある
総理の1日の動きの欄で、
菅総理と樽床氏の面会がたまに行われるのも気になる。
(ただ、これは純粋に職務上会うという解釈も考えられはする)
これは全くの憶測だが、これを見ていて、
もしかしたら樽床国対委員長は党代表戦終盤において、
関ヶ原の戦いでの小早川秀秋のような動きを
仕掛けてくるのではないかという懸念が頭の中をよぎった。
ただし、樽床氏でなく他の人物が、
小沢陣営の内部で分裂工作を仕掛けるかもしれない。
もう一度書くが、これは全くの憶測だ。
ただし、注意だけはしておくべきではないか。

2010年8月26日木曜日

小沢出馬、ゲリマンダー論のつづき

今日の昼のテレビニュースで、
小沢一郎前幹事長が民主党代表選に出馬が報道されていた。
今回の戦いに勝っても負けても
小沢氏の進む先には茨の道が待ち受けている。
小沢首相待望論者たちは少し判断が楽観的すぎるのではないか?
私はこの戦いで小沢氏が討ち死にさえしなければと祈っている。

ここからは「1票の格差」とゲリマンダーへの
新しい動きについて書いていく。
今回はどうも西岡武夫参院議長が、
参院での議員定数削減およびゲリマンダーの責任者になったようだ。
前に書いたように、今回のゲリマンダーには、
いわゆる「1票の格差」の是正という表面的な目的の裏で、
実質的には農村部、山間部、離島などの
政治的切り捨ておよび、より大都市富裕層に有利な選挙区割りを
行うという悪質な側面がある。
これは小鳩政権よりも、
自民党上げ潮派やみんなの党に近い方向性の政策であり、
これを本当はやってはいけないはずの参院で行われる事に
今回の重要性がある。

その責任者である西岡議長が、
最近、民主党代表選について相当踏み込んだ発言を行っている。
それを新聞やネットの記事で読んで思ったのだが、
西岡氏は、
自民党→新自由クラブ→再び自民党→新進党→自由党→民主党と
ここ十数年間、小沢氏と行動を共にしてきたベテラン議員だが、
どうも最近、同じベテランである渡部恒三氏のように
対米従属派になってしまったのではないだろうか?
確かな確証はないが、ただそんな気がしてならない。
そういう人物が、今回行われる
ゲリマンダーの責任者となった事が重要ではないのか。
今後、西岡氏の動きは
消費税増税支持派の動向と同レベルで注意していく必要がある。

余談だが、音楽評論家の中村とうよう氏は
どうも一院制支持者であるらしい。
最近では、みんなの党寄りの態度をとっている。
プレカリアート運動とぶつかるんじゃないのか?

2010年8月23日月曜日

いわゆる「小沢信者」のとるべき判断とは?

今回の民主党代表選においては、
小沢一郎前幹事長の判断によって、
最低でも6パターンの結果が考えられる。
それは...

 小沢氏が出馬して勝利する――→①,②

 小沢氏が出馬して敗北する――→③,④

 小沢氏は出馬せず、
  次の世代を担う代表候補を擁立する―→⑤,⑥

 ①小沢政権が、マスコミ、検察との戦いに勝って長期政権になる
 ②小沢政権が、マスコミ、検察との戦いに破れて短期政権となる
 ③代表戦に敗北はするが、政治的に一定の影響力を保持する
 ④代表戦に敗北して、政治的影響力を失う
 ⑤小沢氏が擁立した候補者が勝利する
 ⑥小沢氏が擁立した候補者が敗北する

この中でまず、①はあまりに楽観的な予測なので、
可能性は非常に少ないと考えて除外する。
次に、④は最悪の結果である。
②は④よりはましだが、長期的にはよくないと考えられる。
③、⑤、⑥のうち、どれに優劣があるのか、
現時点では迷いがあるが、②と④よりはよい結果である。

これを図にすると、

   最悪←―――――――――――→よりベター
        ④  ②   (③,⑤,⑥)       となる。

次に、小沢一郎は出馬すべきだと主張している人達の
目論見には、3つの傾向がある。

 (A)④の小沢氏の敗北および失脚を望んでいる派
 (B)③の小沢氏が出馬することで、もし敗北しても、
    政治的な影響力を逆に保持できると考えている派
 (C)①、②の小沢政権樹立派

(A)の中心は、菅直人陣営内部の反小沢強硬派である。
(B)は、党の分裂を避けることを第一に考える、
    挙党体制派の大半と小沢支持穏健派が中心である。
(C)は主に、小沢氏の側近と「小沢信者」が多い。
また、(B)の挙党体制派の中には、同じ理由から、
⑤、⑥の小沢氏不出馬支持の立場をとる人もいる。

ここで小沢グループにとって最も危険なのは、
(A)の挑発に乗せられて大敗北することである。
これは絶対に避けなければならない。
小沢vs菅および七奉行の戦いは、今回の代表戦だけではなく、
それ以降、少なくとも2、3年はかかる
長期戦になる可能性が大きい。
この一回の戦いで小沢氏が大敗北をして
政治的影響力を失うのは、民主党支持者だけでなく
愛国者全体にとって得策ではない。

これらの理由で、小沢氏及び小沢グループが
菅および七奉行、野党、マスコミ、検察との長期戦で
生き残るためには③、⑤、⑥のうちのどれかの
最高とは言えないが、よりベターな戦術をとる必要がある。
(ただし、③は一番難しい高等戦術)
そのために、小沢氏の側近、小沢チルドレンや
いわゆる「小沢信者」のとるべき行動は、
現在の小沢氏側近のような、小沢氏を焚きつけて
彼を危険にさらすような事をするのではなく、
敵の真の目的を見抜いた上で、
彼らとの長期戦で確実に勝つための
冷静な判断をしながら小沢氏を指導者として担がなければ
いけないのではないのではないか?

2010年8月18日水曜日

民主党、名古屋代理戦争

昨日の夕方7時頃、大雨の中車で帰宅する途中、
ラジオのNHKFMのニュースで、
名古屋市の河村たかし市長と市議会の対立の激化について
報道されていた。

ニュースを聴きながら、そういえばネット上で、
少し前に名古屋市民主党の内部対立について、

    減税派         増税支持派
    河村市長   VS  市議会民主党
  (小沢鳩山派)     (菅総理及び七奉行派+自民党)

の名古屋における代理戦争であるという意味の
文章が載っていたのを思い出した。
これは、9月に行われる民主党代表選の前哨戦であり、
他の地域でも、地方議会や党組織内部で、
小沢、鳩山陣営 対 菅、七奉行陣営の代理戦争とも言える
主導権争いが行われているのであろう。

そういえば、9月の代表選の対立軸が、
現時点では新聞や雑誌ごとに予想が異なっている。
例えば、朝日やサンデー毎日では、
小沢+鳩山+旧社会党グループの3派連合対菅+前原+野田体制
という構図になっているが、
読売、日経や地方紙では、
旧社会党及び旧民社党グループは様子見をしている
という構図となっている。
まあ、各紙の立ち位置による主観も
記事の方向性に含まれてはいるが、
現在はまだ流動的状態であるということなのだろう。
ただ私は、どちらかといえば3派連合説のほうが
現状観測として正確なのではと思っている。
それは、海江田万里氏の立ち位置にあるのではないか。

海江田氏は、現在は鳩山グループに属してはいるが、
本来、横道衆院議長の後を継いで
旧社会党グループを率いるはずだった
赤松前農相が、口蹄疫問題で失脚させられたので、
外様でありながら、旧社会党グループの
代理リーダーとして擁立されたのではないかと
私は新聞やネットの報道を読みながら考えた。
海江田氏が選ばれた主な理由として、
氏が民主党の最古参メンバーであり、
かつ、小政党出身で菅総理と同じような経歴を
歩んできた人物として、
菅総理の考え方や手の内を読める人物であることによると思う。

それが吉となるか凶となるかは別として、
海江田氏の動きが、
小沢グループ(現在、七奉行による切り崩しにあっている)と
鳩山グループ、そして旧社会党グループの
3派連携の鍵となるのではないかという見方において、
私は3派連合説寄りの立場をとっている。
ただ、駆け引きはまだ始まったばかりなので、
8月末から9月にかけて、
また情勢は変わっていくだろう。

(追記)
河村市長はみんなの党とも関係を持っているが、
これは構わないのではないか。
地方政界には中央とはまた違った対立の構図があるのだし、
また、河村氏は二股、三股を掛けてでも、
政治的に生き残っていく価値のある政治家だと私は思う。

2010年8月10日火曜日

ゲリマンダーの引き金を引く「1票の格差」訴訟

昨日の夜、8時45分からの
NHKのローカルニュースで、地元の秋田で
今回の参院選においても「1票の格差」は違憲ではとする
訴訟が起こされたことが報じられた。
他でも全国で同じことが起こっているらしい。
「またか」という気分だ。気分が悪い。

この動きがやがて、菅民主党と自民党の政策合意によって
行われるであろうゲリマンダーの最初の引き金を引く
という事を、この人達は理解してやっているのだろうか?
多分、理解していないだろうな。
もし理解してやっているとしたら、
その人物は相当な悪意を持っているだろう。

しかも、一歩譲っても衆議院ならまだ分かる。
参議院で「1票の格差」がどうこう言うのはそもそも論外だ。
日本の参議院は、米仏の元老院、独の連邦参議院に相当する。
だから、今回の参院選では英字新聞や外国での報道では、
参議院は英語でUpper House(上院)と表記されていた。
そもそも参議院(上院)は人口比に左右されない
純粋な地域代表であって(比例代表は1983年までは全国区だった)、
逆に「1票の格差」があってもかまわないはずだ。
だから、今回の訴訟では憲法の条文がどうこういうよりも、
長い目で見た近代デモクラシーの歴史の照らして考えるべきである。

それから今回の動きは、今回のテーマである
ゲリマンダーへ引き金になるだけでなく、
1院制支持派ともリンクしている可能性がある。
この件に関して、また新しい動きがあったら
事あるごとにしつこく書いていこうと思う。

※参議院の英語での正式名称は「House of Councillors」

2010年8月8日日曜日

映画「パッチギ」に対して感じていた違和感の理由が5年ぶりに解けた

今月1日(日)に放映された、
NHKスペシャル「日本と朝鮮半島 第5回 日韓基本条約」を
観ていたら、5年前に映画「パッチギ」を観たときに感じた、
「映画は良くできているんだけど...」といったモヤモヤした
違和感のような何とも言えなかった感情の理由が解った。

この映画は1968年の京都が舞台になっている。
そして、「キューポラのある街」と同じように
この時代では北朝鮮帰国事業がまだバラ色の未来を
もたらすものとして描かれていた。
ただ史実においてこの年は、
65年に日韓基本条約が締結されてからわずか3年であり、
完全に同時代における物語である。
この時代、在日コリアン社会の内部だけでなく、
日本社会においても、
敗戦直後から朝鮮戦争にかけてほど暴力的ではなかったが、
親韓国派と親北朝鮮派の対立と確執がまだ続いていた。

この民団系と総連系と日本社会の3つどもえの確執が
作品のテーマである「イムジン河」発売中止問題を解く鍵であるのに、
「パッチギ」では北朝鮮系と日本人の交流だけしか
描かれていなかった。
これが、この5年間この映画に対して感じていた
微妙な違和感の原因だったのだなと、
今回のNHKスペシャルを観ながら理解できた。
また、この事が、映画の完成度自体は高いのだけれども、
どこかキレイ事の公式見解を観ているような気分の
原因でもあったのだろう。

ただし、ここで注意すべきなのは、
映画の作り手側のイデオロギーとこの事とは
直接は関係ないということである。
この事は映画表現の根底にある普遍性ともリンクする。
作り手が右寄り、左寄り、ノンポリのどれであっても、
政治的にデリケートな問題や事柄をテーマとして
作品を作るには、
作り手の主張うんぬん以前に、基礎知識として
ほんの少し触れるだけでもいいから
わざわざ台詞で出演者に説明させる必要まではいらないが、
作品のベースの部分にそこはかとなく流れていなければ
ならなかったのではないのだろうか?

同様にこの事は、
前述したNHKの番組にも同じことが言える。
その1つの例として、
前回の「第4回 解放と分断 在日コリアンの戦後」において、
朝連(後の総連)の初代リーダーだった
金天海(キム チョンヘ)については述べられていたが、
逆に、民団の初代団長の朴烈(パク ヨル)の名前は
どこにも出てこなかった。
どちらかといえば彼の方が、20世紀前半~半ばにかけての
日韓関係史において重要な人物であるにもかかわらずである。
そこがNHK内左派の弱点なのだろう。
この事は私だけでなく、他にも指摘している人がいるかも
しれない。
ただ、これは制作スタッフの勉強不足でこうなったという
可能性も否定はできない。

そういえば、「パッチギ」の時代設定と同じ1968年に
制作された、
フォークル主演、大島渚監督のそのものズバリ
「帰ってきたヨッパライ」では、
韓国軍のアメリカ属国としてのベトナム派兵も
重要なテーマの一つとなっていた。
映画としての完成度では「パッチギ」のほうが高いとは思う。
ただ、私はどうも矛盾しているようだが、
この映画にも横溢している、初期大島渚映画特有の
若松孝二ともちょっと違う
荒っぽいイデオロギッシュさ剥き出しの作風が
心の中にこびり付いて離れない。
完成度とかイデオロギーがどうとか偉そうなことを言っているが、
本当は単純にこの手の映画が好きなのだろう。

2010年8月3日火曜日

菅直人政権が自民党などと共同で国会議員定数削減とゲリマンダーを同時実行する可能性

7月31日(土)の大新聞各紙(読売、朝日、毎日)に掲載された、
菅総理が記者会見上、国会議員定数の削減(主に比例区)について
言及したという記事を目にした。
(その後、8月2日(日)の各紙には、衆院小選挙区も検討と
書かれていた。)
次の日、8月1日(土)にこれまた各紙揃って
いわゆる「1票の格差」に関する記事が載っていて、
これを読んで、私はハッと気がついた。
これは、菅直人政権は議員定数削減とワンセットでゲリマンダー
実行するというシグナルなのではないのか?

昨年の衆院選直後から、やたらと「一般市民」によって
「1票の格差」は違憲ではないかとする民事訴訟が起こされた。
それをこれまで私は小鳩前政権にたいする側面攻撃とは
認識していたが、それ以上の意図は分からなかった。
しかし、この一連の記事でその本当の意味を理解した。
この一連の司法の動きは、
「1票の地域格差を是正する」という名目で、
ゲリマンダーを行うための布石だった。

ここで「ゲリマンダー」という政治用語及び手法について
説明すると、とんでもなく長くなるので、
簡単に書くと、
「選挙で現体制側の候補者に有利になるように、選挙区の区割りを
 恣意的にいじくり回す行為、及び、その結果生まれた選挙区割り」
となる。(それでもまだ長いが)

これまで、小沢一郎前幹事長とその一派に加えられた
政治的攻撃については、
①検察審査会による一連の「政治とカネ」攻撃
 (これは二重基準の疑いがある)
②樽床伸二国対委員長による小沢派の内部撹乱
 (これには異論もある)
ここまでは小沢派だけに対するもの。
ここからは、
③国会議員定数削減(小沢派だけでなく、
  国民新党や社民党に対する勢力削ぎ落とし)
そして④ゲリマンダーが登場する。

菅総理と彼を支える七奉行たちが、
自民党などや官僚と組んで(消費税翼賛会!)、
国会議員定数削減と④ゲリマンダーを同時に実行したら、
単なる小沢派や国民新党、社民党の弱体化だけでは済まされずに、
これまで国民内部の少数意見を反映してきた
ミニ政党やインディーズ候補が選挙に出馬しても、
当選の可能性が確実に奪われてしまう。
さらに、農村山間部や離島の自営業者や貧困層よりも
大都市圏の富裕層に有利な選挙区割りが、
「1票の格差是正」の名目で行われることによって、
小沢一郎が得意としてきた「川上から戦術」の有効性を
奪うことを「消費税翼賛会」の特に官僚達は目論んでいる。

これは長期的には「平成大合併」に匹敵する
地方切り捨て政策であり、
表面的には普通選挙の形だけはとっているものの、
その実質は一部の支配層、富裕層に有利な実質的な制限選挙で
あるという日本のデモクラシーの歴史に対する逆行現象であるとも言える。
さらに、これにみんなの党や幸福実現党の主張する
「一院制」がワンセットになることで、
最終的にナチスドイツの授権法のような
立法府の完全な形骸化、無力化が完成する。
これこそが憲法違反ではないか。

話は戻って、
昨年から「1票の格差」は違憲であるとして
やたらと民事裁判を起こしていた、
いわゆる「一般市民」たちは、
裏のあるおかしな人間(プロ市民)である可能性が高い。
これは検察審査会メンバーにも言えることだが、
ここでは「政治とカネ」の偽善性については
書き出すと長くなるので書かない。

この①から④にかけての
「消費税翼賛会」の動きと闘っている
小沢一郎や亀井静香前金融相の言動は、
戦時中、翼賛体制に反対して鳩山一郎が1941年に結成した
「同交会」に通じるものがある。
この動きには戦前の無産政党3派から、
社民系の西尾末広や片山哲たちも参加していた。
前にも書いたが、
小沢一郎と鳩山由紀夫が対米従属派や官僚勢力と闘うために
社民党と手を組んだから、
彼らは左翼だというのであれば、
翼賛体制と闘うために社会主義者の西尾末広たちと組んだ
鳩山一郎もまた左翼であるという
レッテルを貼らなければいけなくなる。
そうでなければ辻褄が合わない。
共通の目的のために保守政治家と社会主義者が
手を組むという事は、
政治力学的にもままにあることなのだが、
そのよい例としてゴーリズムもそうである。

話が脱線してしまった。
はっきり言って今回の内容は極論だらけだったのだが、
少なくとも「1票の格差」というキレイ事の言葉の裏には、
ゲリマンダーという恐ろしい政治手法への意図が
隠されているということを、
この文章を読んだ後に、頭の片隅にでもとどめておけば、
これから何か事態が起こっても
対処するためのヒントになるのではと思う。

2010年7月31日土曜日

消費税増税大連立と中川秀直の動向

7月30日(金)の読売新聞に載っていた、
昨年は党内の主導権争いに一旦敗れた
自民党上げ潮派のリーダーである
中川秀直元幹事長のインタビューを読んで考えた。

中川氏は、前回の衆院選以降、
自派の勢力を温存していたようだ。
その上で、みんなの党との連絡を取り合いながら
復権の機会をうかがっている。
その一端として、
民主党政権瓦解後に自公み政権を作るという構想も
考えているようだ。

ここで、現在(2010年7月末)時点の
日本政治の対立図は、

  民主党vs自民党vsみんなの党

という単純な三つ巴の構図ではなく、

参院選直後の週刊ポストの図に修正を加え、
なおかつ今回の中川氏の発言も考慮に入れると、

(外資容認)       (消費税大連立)     (対米独立派)
みんなの党       民主党七奉行派     民主党小沢派
中川秀直一派 vs  自民党主流派   vs  国民新党
(上げ潮派)      たちあがれ日本       社民党
幸福実現党(仮)     新党改革  ←辻元清美─┘   
                         (離党)
       公明党        共産党
       (中立)     (反米のふりをした
                    対米従属派) 

 ※外資容認派と消費税大連立派に竹中平蔵の影響力あり

と同じ三つ巴でもこう分類できるのではないかと考えた。
中川秀直氏は、民自大連立と小沢派との対立の推移を見計らった上で、
次の行動を起こすだろう。
そのシナリオとしては、
前にも書いた自公み政権工作という方法もあるが、
もう一つ、自民党を割ってみんなの党に合流するという
可能性も考えられる。
そのときに、民主党からも何人か引き抜く可能性がある。
多分こちらの方が中川氏にとっては、
自民党内部にいるよりも権力奪取の近道になるのかもしれない。
彼の発言を読んで、
自公み政権樹立が消費税増税問題がネックとなって
不可能となった場合には、こうなる可能性があると考えた。
もし渡辺喜美総理が誕生した場合、
裏のトップとして副総理のポストに就くのではないか?
ただこれは仮定での話であり、
9月以降の政局によってはまた予測が変わっていく。
そのときはまた政界対立図を書き直すことにしよう。

2010年7月28日水曜日

辻元清美離党と民主党七奉行派の社民党切り崩し

今回の辻元清美前国交副大臣の離党は、
社民党と亀井静香前金融相率いる国民新党の連携の動きに対して、
菅政権の実権を握った七奉行一派が牽制のため
社民党切り崩し工作を行った結果ではないかと
ニュースを観て私は思った。
この推論が正しければ、
辻元女史はすでに鳩山政権にいた時点で
七奉行(特に前原国交相)に籠絡させていた可能性が高い。
逆に保坂展人氏らの方は微動だにしなかった。

今回の件で、社民党の一角は崩れたが、
96年に旧社会党が
旧民主党左派と社民党と新社会党の3つに分裂したときのような
大きな崩れ方はしなかった。
ただ、今後も国民新党と社民党の連携に対して、
民主党七奉行派や大連立を支持するマスコミの側からの
切り崩し工作が仕掛けられる可能性があると考えられる。
また、前にも書いたように
小沢チルドレンの一部も切り崩しにあって
脱落する可能性がある。

そういえば思ったのだが、
辻元女史は地元の選挙区の事情を離党の理由にしていたが、
逆に、浮動票でない固定票である
熱心な支持者の反発を買うのではないのかと
私は思ったのだが、実際のところはどうなのだろうか?

2010年7月25日日曜日

保田與重郎、6羽のかもめ、大連立論を少々

18日(日)の産経新聞に、
保田與重郎生誕100年の記事が載っていた。
主な内容は、保田の経歴や5月に行われたシンポジウムの
模様など。
今では親米保守を通り越して
対米従属派が主導権を握った感のある産経だが、
まだ良心的な民族保守派が残っているらしい。
保田についてはこの前にも触れたが、
私は、彼の著作では一般的に知られている「日本の橋」などよりも、
戦後GHQに追放されてからのほうが
より人間的な深みを感じさせて魅力を感じた。
ここ最近(といっても10年以上たつが)の再評価も、
やはり戦後の「絶対平和論」や「祖国正論」などのほうに
より重心が移ってきているようだ。
ドキュメンタリー映画「自然に生きる」は一度観てみたい。
ただ、何度も書くようだが、
中川八洋氏はどう思っているのだろうか?
まさか次の著書で「産経は極左新聞である」とか
書き出しかねないなぁとも思ってしまった。

ここ最近、空いた時間に少しずつ
1974年にフジテレビで放映された倉本聰作、
「6羽のかもめ」のDVDを観ている。
今日やっと12話目に入った。
週刊文春連載の小林信彦御大のコラムに少し記述されていたので、
興味をもってレンタルビデオで借りて観始めた。
観だしたら、「北の国から」以降の倉本作品とは
また違った味わいがあって面白いドラマだった。
同時代のTBS系の久世ドラマ、
「寺内貫太郎一家」「悪魔のようなあいつ」などとも
違う個性がある。
実生活では本当の叔父と甥である加東大介と長門裕之のやりとりや、
中条静夫の後の「あぶない刑事」にも通じる
コミカルな芝居などが印象的だった。
あと、小野武彦やディック・ミネなど、
いろいろな役で今では故人となった人物や
若い頃のベテラン俳優が登場してくるのが面白い。
ただ、これは久世ドラマにも言えることだが、
こういうペーソスと毒のある作品は、現在の放送コードでは
もう作ることができないのは残念というか、
微妙なさびしさはある。

そういえば、22日(木)の毎日新聞で、
政治部記者によるカッコ付きで大連立を支持する
文章が載っていた。
次の衆院選までの3年間に限り大連立をするべきだという
内容。この記者は公明党寄りの人物のようだ。
これは消費税増税論とはまた違うベクトルからの
主張にはちがいない。
ただし、現実政治はそんなに理屈通りに動くのだろうかという
疑問をいだくのだが。

(追記)
25日(日)の読売新聞で、
たちあがれ日本の与謝野馨氏のインタビューが
掲載されていた。
やはり大連立支持の内容だった。
ただ与謝野氏は自分では小沢一郎氏とは
仲が良いとは言ってはいるが、
現時点での本当のところはどうなっているのか?
そう疑問に思うのは私だけだろうか。

2010年7月22日木曜日

消費税増税推進派の現時点での動き

7月19日(月)付の読売新聞に、
消費税増税推進派の最強硬派であり、
自民党ブレーンでありながら
民主党の事業仕分けに仕分け人として参加している
石弘光放送大学学長が、
「民主と自民、政策協定を」と題して
民主党と自民党は次の衆院選までに
政策協定(いわゆる部分連合)を結ぶべきだと書いている。
これは、大連立までいかなくても
民主と自民の部分連合で消費税増税は可能だという
増税推進派の判断からだと思う。

同じく消費税増税支持の、たちあがれ日本の与謝野馨氏が
民自大連立の方向に傾きだした。
さらに、これに小沢一郎氏まで参加させようと言い出している。
彼の親分である中曽根康弘元首相が、
20日発売のサンデー毎日での政治学者の御厨貴氏との対談で
これと同じことを発言している。
これで思ったのは、やっぱり07年の大連立構想は
中曽根、ナベツネラインから始まったのではないか?
だがしかし、今回の消費税増税には小沢氏は反対している。
もっと書くと、小沢氏は新進党崩壊の頃から
一貫して増税反対の態度をとっているので、
今回の大連立の話には乗らないだろうと予測する。
もし加われば政治家としてぶれたことになってしまう。
それに、今年(10年)は07年と政治状況が違う。
6月の菅クーデターと参院選で
国会内の勢力分布がすっかり変わってしまった。
ただし、小沢チルドレンの一部はこの話に乗せられて
消費税増税支持に寝返る可能性はあるだろう。

話が戻って、
読売新聞の別ページで
三浦展氏が消費税について言及していた。
基本的には増税やむなしという話から始まっているが、
最後の部分で、増税という負担に国民が納得して
耐えられるように、
官僚ではなく国民が税金の使い道を決定できるような
しくみが必要であると結んでいて、
増税反対派にも一定の配慮をした発言をしている。
このようなやり方で、三浦氏は言論人として
世渡りを行っていく可能性が高い。

いずれにせよ、部分連合であろうと大連立であろうと
実際の議席数とは関係なく大多数を形成するという意味では、
今回の状況は、05年の郵政クーデターや
昨年(09年)の衆院選よりも
より政治力学的に悪質な部分を抱えている。

2010年7月18日日曜日

みんなの党の「みんな」の本当の意味とは

先週末あたりから、新聞や雑誌を読んでいて
ずっと頭の中にこびり付いていた事柄がある。
それは、みんなの党の英語名「Your Party」の
複数形の「You」が、日本語の「みんな」と
言葉のニュアンス及び意味がかみ合っていないのでは
ないかという疑問だ。
それでしばらく考えていて、この答えが頭に浮かんだ。
それは、この場合の「みんな」とは、
ファシズムの語源である
「ファショ Fascio,複数形Fasci」(束ねる、結束)と
語感が同じとまでは言わないが、
非常に近いのではないのかという考えである。
この論法でいくと、
「みんな」を「束ねる」+「党」=「みんなの党」に
なるのではないかと考えた。
もっと突っ込んでみて、「みんなの党」とは
「翼賛体制党」という意味もあるのではないのだろうか?

ここで注意するのは、
1つ目に、私は「ファシズム=悪」という
単純な考えの人間ではない。
むしろ、現代の外山恒一氏などの運動には、
社会主義やサンディカリズムから分派した
初期ファシズムに通じる部分があるという意味で
興味すら持っている。
こう言うと中川八洋氏の論理では私も極左扱いされるだろうが...
2つ目に、「みんなの党」と「ファシスト党」では、
イデオロギーや政策において正反対の部分が多い。
ただし、いわゆる同党の「アジェンダ」には
国会議員削減など、
ファシズム化しかねない要素もあるのは事実だ。
だから、ここで言及するのは、
純粋に、「みんなの党」における「みんな」という単語の
ニュアンス及び意味について、
私なりに考えた結果であり、
「お前の妄想ではないか?」と言われればそれまでだ。
むしろ、そう言う人間のほうが精神的に健全ですらある。

ただ気になるのは、
戦前の大政翼賛会も新党運動から始まったという事実である。
新党が乱立(国民同盟、東方会や無産政党の離合集散など)して、
この流れの中から近衛新党の運動を核として
大政翼賛会が生まれた。
その当時の状況と昨年あたりからの状況はよく似ている。
2005年の小泉竹中政権による郵政クーデターの時、
「これは第2大政翼賛会ではないのか?」と思ったのだが、
むしろ、2010年の鳩山政権の崩壊から
今回の参院選にかけて起こった事態のほうが、
より1940年当時の状況に酷似している恐ろしさを感じた。
形式的に、政党が連立を組んだり合併したりしなくても、
全体の合意によって事実上の大多数を形成していることにより、
単なる2大政党制以上に、どのようなおかしな政策でも
立案し実行することができる。

そうだ、大政翼賛会で思い出した。
今回の自民党の谷垣総裁が「いちばん」と
人差し指を突き立てるポーズは、
あのナチスの「ハイル・ヒトラー」なみに胸糞が悪い。
選挙中のTVCMや、
開票時に、党幹部全員で同じポーズをしたのを
テレビで観ていて私ははらわたが煮えくりかえった。

2010年7月16日金曜日

日韓保守派を分断させたのは誰の責任か?そして反小沢翼賛会の動き

7月10日(土)の産経新聞の「緯度経度」欄において、
産経ソウル支局長の黒田勝弘氏が
「日韓保守派の共通目標は」という題で、
日韓の保守派の連帯の可能性について述べていた。
これは虫のよい話ではないのか?

小鳩政権に対する党派的攻撃のための院外団として、
在特会やネット右翼などを煽動し利用したのはいったい誰なのか?
産経新聞や自民党右派などの
反共保守右翼である彼ら自身ではないのか。
これによって、
これまで反北朝鮮や竹島、対馬などの問題において、
主に、韓国内の容共左翼民族派に対する批判で動いていた
日本の保守右翼陣営が、
在特会を利用した事によって、
左右および南北を含めた韓国、北朝鮮全般に対する
冷静さを欠いた敵対感情で暴走してしまった。
それでいて「日韓の保守派連帯は可能か?」というのは
近衛声明ばりに「韓国は相手とせず」と言った
舌の根が乾かないうちに、
「反共のために手を結びましょう」と言うようなものだ。
相手を愚弄している。
18世紀にハプスブルグ家とブルボン家が結んだ
外交革命のような、
これまで敵対していた相手との外交政策の転換というのは
いつの時代でも存在するが、
今回のはあまりにも稚拙すぎてひどい。

在特会は韓国における反日左翼民族派を
裏返ししたような反韓右翼民族派的存在になってしまったようだ。
彼らの暴走を止めない限り、
日韓保守派の連帯は不可能ではないのか。
同時に、台湾独立派との連帯も怪しくなってきた。

話が変わって、
いよいよ検察審査会が動きだした。
これに民主党内ナベツネ派の生方や前原国交相、
「A級戦犯」の千葉法相、
さらに自民党まで加わって小沢攻撃を始めだした。
ここ数日予測した通りだ。
いよいよ菅民主党、自民党、検察司法、マスコミetcの
「反小沢翼賛会」による、
政治的リンチの幕が上がった。

2010年7月15日木曜日

菅直人総理の表情から

参院選挙後のテレビや新聞で報道される
菅直人総理の表情を見て気になったことがある。
彼は予想以上の敗北をしたはずなのに、
敗北感もなくケロリとした表情でいる。
選挙責任者である安住淳氏も全く同様だ。
民主党の地方組織からの悲鳴のような苦情を
まるでひとごとのように語っていた。
まるで最初から負けるのは予定に入っていたようだ。
だから、当初は消費税増税で発言がぶれて
本来なら勝てるはずの戦いに敗北したと思っていたが、
しだいに、菅総理は小沢系の勢力を削ぐために
最初から選挙に負けるつもりでいたのではないのかと
私は思うようになっていった。
だから、参院敗戦でのA級戦犯である千葉法相の処遇も
そのままになっている。
今は菅総理は表面上は神妙な事を言っているが、
腹の中では
次は小沢派の若手たちを根絶やしにして、
最終的には小沢一郎本人を失脚させるための計画を
練っているのではないか?
と邪推してしまった。
多分これが本当だろうけど。

2党大連立より恐ろしい3党大連立

週刊ポストの今週号には、
「菅と自民『消費税翼賛会』悪魔の連立へ」という
見出しが載っていた。
これは、私が参院選前の6月の時点で書いた
「増税大連立」と同じく、
菅体制の民主党と自民党の大連立であり、
これが現状における最悪のシナリオになると
今までは思っていた。
しかし、「アルルの男ヒロシ」こと中田安彦氏が
自身のブログで、
「みんなの党は自民党上げ潮派そのものである」という分析を
行ったので、軌道修正しなければならないと思う。

現状では中田氏の言うことが一番正確だと思うが、
そうなると、「消費税翼賛会」では
菅民主党と自民党が大連立を組み、
みんなの党は小沢派、亀井国民新党と手を組むという予測になるが、
これを軌道修正して、
菅民主党は自民党、みんなの党のうち一方と連立を組み、
もうもう一方と「部分連合」を組むということで、
結果的に事実上の3党大連立が形成され、
小沢派と亀井国民新党が包囲されるという
よりひどいシナリオが考えられる。
現に新聞各紙を読んだら、
与謝野馨氏はテレビ朝日の番組で、
民主と自民の大連立を支持する発言を行ったらしい。
あと、みんなの党の渡辺善美代表も、
「部分連合」なら容認できると言っている。

これでは9月に民主党が割れるどころか、
菅民主党、自民党、みんなの党の3党連合に
小沢派と国民新党が包囲殲滅されるという
最悪の事態を考えなければならないのではないのか?

2010年7月12日月曜日

選挙結果を見て、今後の予測

(その1)
今回の参院選では
民主党がボロ負けにならないまでも負けるという予想が
ネット上で6月頃から飛び交っていたので、
民主党については多分今回は負けるだろうなと
予測はしていた。
ただ、国民新党も巻き添えをくらって
議席を減らした。社民党はなんとか持ちこたえた。
これについては予想が甘かったと思っている。
郵政問題では一番ぶれていないのは
国民新党だった。
菅内閣をささえる七奉行たちはおかしな動きをしている。
新党改革に移った荒井広幸氏はぶれ気味だ。
たちあがれ日本の平沼赳夫氏も同様だ。
やはり亀井静香氏が大臣を辞めた時点で、
民主党との連立を離脱した方が賢明だったかもしれない。
これで、最悪の選択である
民主党と自民党の部分的大連立に対する
歯止めが効かなくなる可能性が高くなった。

(その2)
今回、自民党が勝ったことで、
これからも森喜朗氏に代表されるような、
昔ながらの地方ボスによる党体制が続いていく可能性が高い。
そのために、河野太郎氏に代表される
自民党内改革派の台頭はしばらくは無理だろう。
しかも消費税増税論については、
谷垣総裁自身が、麻生元首相と総裁選で争った頃から
消費税増税を唱えていた経緯があるので、
民主党から自民党に政治的主導権が移っても
消費税増税に走る可能性が遅かれ早かれあると思う。

(その3)
今回、第3党になったみんなの党は元々、
かなりの割合で小泉竹中体制の継承的政策を唱えている。
なので、私個人的には支持できない。
ただし、今回は消費税増税には反対の立場
(多分、埋蔵金の方を重視)のため、
民主、自民の両方の増税論をきらった層の人々が
流れていったのは一理ある。
これは地方の農村部での共産党(都市部ではない)
への票にも通じる現象だったと思う。
これによって一時的には、
消費税増税論が下火になるだろうが、
今回のほとぼりが冷めて
また増税論全般が台頭してきた時の動きによって、
今後の新しい合従連衡が始まる。
それまではしばらく様子見をするしかない。

(その4)
そういえば、今回落選した千葉法相については、
民主党政権の閣僚の中で一番最初に
官僚たちに取り込まれていた可能性が高い。
それで、今年初めからの
検察、警察、司法、マスコミのおかしな小沢鳩山攻撃にも
彼女は全く動かなかった。
ある意味、A級戦犯といっても過言ではない。
だから、落選しても同情できない。

(追記)
千葉法相続投。菅総理と仙谷氏が決めたらしい。
選挙民を馬鹿にした露骨な反小沢人事だと感じた。

2010年7月9日金曜日

政見放送を観るパート6、新党改革、日本創新党編

昨日の政見放送を観た感想。

まず新党改革。
はじめに舛添要一氏のあいさつ。
ついで民主党と自民党の両方を批判、差別化を訴えた。
その後は、政治とカネ、議員および公務員定数削減、
法人税減税など、みんなの党との方向性が非常に近い。
たちあがれ日本とは異なる部分が多いと感じた。
後で荒井広幸氏が言及した消費税増税10%容認を除いたら、
ほぼ同じと言っても過言ではないと思う。
次に荒井氏。
法人税25%削減、みんなが仕分け人、
2020年消費税10%などの提言を聴いていながら、
この人は郵政クーデターで自民党を離れた2005年頃は、
亀井静香氏に近い立場だったが、
どうも新党改革の前身である改革クラブの結党あたりから
改革支持に転向したようだなと感じ取った。
一人おいて、萩原誠司氏と鳩山太郎氏の二氏は、
自民党批判、保守本流を強調、社会主義批判など、
たちあがれ日本(特に平沼系)に近い主張。
最後に舛添氏があいさつをして終了。
全体的に舛添氏は演説と司会が非常に上手い印象。

放送を観ていて感じたのは、
この党は、消費税増税論が異なるだけで
あとはほぼ同じといってもよいくらい、
みんなの党に方向性が近いと思う。
ただし、一部にたちあがれ日本に近い主張に候補者がいるので、
保守第三極の方向性の違いとして、

  みんなの党--新党改革--たちあがれ日本
(小泉改革継承) (中間派)  (道徳保守派、ただし国民新党とは
                       小沢氏との関係で対立)
という単純化したとらえ方ができると考えた。
多分、保守陣営内部の主導権を自民党から
奪取する機会が訪れたら、新党改革とみんなの党は手を組む。
それに、たちあがれ日本も荷担するのではないか?
ただし、消費税増税論次第でこの予測も変わっていく。

次いで日本創新党。山田宏代表の演説。
杉並区の成人式の話、これが長い。説教臭い。
区長時代の実績、財政再建、自助努力論。
ついで、麻生政権時代の自民党と鳩山前政権のバラマキ政策批判。
定額給付金や子ども手当の財源は税金だと主張。
バラマキ政策は不道徳と言う。
これは自助努力論者がよく使うレトリックだ。
この論法で気になるのが、
自助努力論が有効なのは、
しずく垂れ理論が機能している限りだと言うことではないか。
この方法論が破綻して、いくら努力しても貧困だという状況が
小泉政権下で起こり始めた。
いくら公共工事などを行っても貧困層にお金が行き渡らなくなり、
貧乏人の社会的上昇が出来なくなっていった。
この現在の状況を山田氏はどう考えているのだろうか?
それでもやっぱり自助努力だけなのだろうか?
次に三丁目の夕日の時代のインド援助の話。
貧者の一灯の精神について。
全体的に感じたのだが、
この人のやっている事は、政治家の演説ではない。宗教家の説教だ。
宗教政党でもここまで説教臭くはない。
一般国民に対する善意の押しつけ以外のなにものでもない。
善意も度を超したら単なる悪意以上の悪になる。

次に、中田宏氏と齋藤弘氏が登場。
二人共、それぞれ市政、県政時代の実績を強調。
また自助努力論。よほど好きなようだ。
バラマキ批判、国会議員定数削減、規制緩和と、
小泉竹中体制的政策がつづく。
セーフティーネットは守る、地方を守る、
ここは小泉竹中的ではない。
ここで気になったのが、
平成の大合併に対する二人の評価だ。
民主党の原口総務相(小沢派、七奉行派の二股をかけている)は、
この政策は失敗で、地方を疲弊させたとはっきり発言した。
二人とも、この件については放送内では全く言及しなかった。
この党については、
全体的に観ていて不愉快だった。

多分これで比例区の方は出尽くしたなので
これで打ち止めにする。
そういえば当日は用事があって投票出来ないので、
期日前投票を前もって済ませた。
どの政党および候補者に入れたかはここでは書かないが、
これまでの文章を読んだら大体の察しがつくようにした。

2010年7月8日木曜日

政見放送を観るパート5、女性党、社民党編

まずは女性党。
はじめは消費税増税批判からスタート。
その後は他の党と同じような内容(議員の定数削減など)。
途中でルワンダの例を挙げて、
アファーマティブ・アクション支持(女性議員定数)。
この部分だけはフェミニズム的政策。
ただし、この党は
ネット上で他でも指摘されているように、
極左政党というよりも
公明党や幸福実現党などに近い特殊な保守派という印象を、
原色のルックスも含めてこの放送から感じ取った。
(子育て問題、出産休暇、待機児童ゼロ、いじめゼロなど)
あと、統轄本部など、
立候補者の肩書がやたらと大仰なのが気になった。
その部分は宗教政党的ではあるが...

次に社民党、
今回は、福島瑞穂党首と斉藤貴男氏のツーショット。
国民新党とある意味で通じるものがある。
こちらもまずは消費税増税批判。
ただし、理路整然と説明している。
斉藤氏の論理は勝間和代女史のと同じで一理ある。
自殺対策、貧困問題。
名指しはしないものの、枝野、玄葉両氏を批判。
次に、自民党時代の労働政策を批判。
これは、民主党も含めたどの党も言っていない。
その後は障害者自立支援法批判。
そして、普天間基地問題についての党の方針を説明。
最後に沖縄、障害者、高齢者および地方の切り捨ては
やらないと福島党首が発言。
内容的にはまとまっていた。国民新党とは対照的だった。

対談の次は、比例候補の紹介。
一貫して小泉竹中体制批判が続く。
4人が発言したが、
福島党首と保坂展人氏のが力がこもっていた。
最後には消費税増税反対で締めくくった。

政見放送を観るパート3.5、たちあがれ日本編追記

この前観られなかった、
たちあがれ日本の政見放送の前半部分を観た感想。
気がついたことが2つあった。

1つ目は、
これは自民党のと同じだが、
民主党批判をするときに、
小沢派と七奉行派の区別をつけないで
対立する両派を一緒くたにして批判の対象にするので、
話が実情に合っていない。

2つ目、
これは渡部昇一氏にもいえるが、
日教組の名前を挙げてやたらと攻撃対象にする。
このやり方は、今でもシーラカンスみたいに生息していて
「天皇制廃止」をやたらと連呼する左翼の一部と、
ベクトルが異なるだけでやっていることが本質的には同じだ。
これは左右どちら側にも言える事だが、
まず、左翼では、
ゼロ年代中期に貧困、ワーキングプア問題を触媒にして
プレカリアート運動が台頭した時点で、
屋台骨を担う世代の交代が始まった。
同じように、保守、右翼陣営でも
90年代後半の自由主義史観および
新しい教科書をつくる会の運動が興って以降、
世代交代が起こっている。
ただし、小泉政権以降、
この運動に宗教勢力やレイシストが入り込んだ結果、
保守、右翼陣営の体質がおかしく変質していった
という事実がある。

これらの世代交代による
近年における左右の中心勢力の移動の事実を無視して、
単なる馬鹿みたいな
日教組や天皇制に対する現実に即していない
薄っぺらな攻撃は行うべきではないと私は思っている。

2010年7月6日火曜日

政見放送を観るパート4、国民新党、幸福実現党編

昨日観た政見放送についての感想。

まずは国民新党から。
亀井静香と田中康夫のツーショット。
脱ダムの話から始まって、消費税増税批判へ。
田原総一郎との対談でも使われていたが、
国民生活という井戸がカラカラに干上がっているのに
消費税というつるべを入れるのは本末転倒だ論。
まずは井戸の水を増やすべきだと亀井前大臣。
日本がアメリカに金を貸している、
そちらをまずなんとかすべきだとも主張。
その後は、夫婦別姓、外国人参政権について。
参政権よりも、帰化の条件問題から始めるべきという
保守の立場からの民主党左派である菅政権への批判。
しかし、全部言いたいことが言えずにここで時間切れ。
亀井、田中両氏共に
もっとトークのスキルが上手い人物なのだが、
準備不足のためだろうか、消化不良気味だと感じた。

次に比例区候補の紹介。
保守派の立場から良い主張を唱えていた人もいた。
注目の敏いとう氏は、となんで出馬したのか微妙な発言。

公明党は前回と同じ内容なのでとばして...

最後にある意味最注目の幸福実現党の放送。
まずは、石川党首単独で話す。
この党は党首が一番ころころ変わる印象。
最初は、菅政権の最小不幸社会スローガン批判から始まった。
そして、増税などの民主党(七奉行派)批判を並べる。
その中に参議院廃止による一院制論も混ぜていたのが気になった。
これには異論がある。
小泉元首相らも一院制を唱えていたはずだ。
次に、中国、北朝鮮の軍拡などについて
「最後の冷戦」と表現。日米同盟を強化すべき論へ。

ここでは二つの疑問がある。
まず最初は、この党のスタンスが「反共」なら、
日本国内では、「蟹工船」路線の共産党を
真っ先に批判するべきだが、
この党は、民主党、ついで社民党に矛先を向けている。
この党派性があやしく感じられる。
二つ目は、
消費税増税がアメリカの命令によるものだと言う
議論が根強いが、
もしそうだとすると、
日米同盟強化と増税批判は矛盾するのではないのか?
と私は思ったのだが。

そして、「幸福」を何回も連呼。いったい何回唱えたのだ。
これじゃ菅総理に強迫的と言われても仕方がない。

次は、饗庭直道氏と湊侑子という党員の女性が登場。
またまた「幸福」を連呼。
中国の台頭を「国難」と表現。
九条護憲派批判。チベットの例を挙げて対中融和派批判。
たしか鳩山前首相は
ダライ・ラマのチベット自治論支持者だったと思うが、
この点には触れないで民主党を批判。

次は外国人参政権批判。オランダの例を引用。
たしか幸福実現党は、
昨年は、自民党の中川秀直、小池百合子一派と一緒になって
外国人移民を大量に入れて、
日本の人口を3億人にしようなどと言っていたはずだ。
こんなことをしたら、キプロスやフィジー諸島のように
日本でも民族紛争が起こってしまう危険がある。
移民論から転向宣言も何もしないで
外国人参政権批判をするのは非常におかしい。

次に社会主義批判。小さな政府論。
アメリカでの例などを引用。
途中でリバータリアニズムの「最小国家論」のパクリだと感じた。

全体的に、おかしな矛盾点もいくつかあった。
ただし、「反共」「反中国」「反北朝鮮」などを
素朴に信じて、ネオコンおよびマネタリズムの
おかしな点(共産主義よりもある意味左翼的な部分)
を理解できない保守派の人々には
一定の支持を受けるだろうなと感じた。
それでさらに私は不愉快になっていくのだが...

(追記)
そういえば、かつて中川八洋氏は、
著書「正統の哲学 異端の思想」の中で
一院制のもたらす権力集中の危険性について、
フランス大革命時における、一種の三院制としての三部会と
国民議会~立法議会~国民公会の一院制の系譜の対比を
例にして言及していた。
中川氏の言説には学問的におかしな点がいくつもあるが、
この点については的を得るのではないかと思う。
(私は的を得るは正しい表現だと思うので今回もこの表現を使う)

2010年7月3日土曜日

政見放送を観るパート3、たちあがれ日本編

今回、たちあがれ日本の政見放送を観た感想。
途中から観始めたが、
まあ内容的にはさほど目新しいものは無かった。
ただ、与謝野氏、平沼氏の両者ともノドの調子が
あまり良くないようだとテレビを観ながら思った。

次が石原東京都知事の応援放送。
こちらの方が重要。
与謝野氏の後見人の中曽根派と平沼グループと
石原派は今回は一体化している。
本当はこれに中曽根康弘経由で、
故後藤田正晴、佐々淳行の警察人脈も
繋がっているかもしれない。
それで、非実在青少年表現問題のような、
道徳問題のふりをした本当は警察利権の拡大問題が、
石原都政ではやたらと起こるのではないかと推測する。

話が戻って、
石原都知事がニューズウィークの表紙から引用。
これまでは星条旗の星一つが日の丸だったが、
今後は、五星紅旗の星の一つが日の丸になるだろうと、
中国脅威論を唱えているように表面的には見える。
ただし、石原都知事はぎりぎりのところでは
中国と裏で妥協する政治家だ。
オリンピック招致運動のときもそうしていた。
石原都知事はこういう二面性ともいえる判断のおかげで、
昭和40年代から現在まで、
体制派政治家として生き残ってきたといえる。
また話が脱線して、
次かその次の都知事選では
猪瀬直樹副知事を後継候補にして
石原氏自らは院政を敷くのではないのだろうか?
理由はないがふとそう思った。

石原都知事が最後の部分で、
たちあがれ日本という党は本当は増税容認派ではないかとも
とれる発言をしていた。
たしか、与謝野馨氏は元々は増税容認派ではなかったか?

2010年7月1日木曜日

中川八洋の新刊「民主党大不況」について思った

この前、中川八洋氏の新刊
「民主党大不況-ハイパーインフレと大増税」が
書店の新刊の棚に並べられていた。

私はこの本を立ち読みしたが、途中で首をひねってしまった。
本当は私は、90年代後半は中川氏の熱心な読者だったが、
2000年代前半から、中川氏の思想分類に疑問を感じて、
そのうち読者になるのを止めていった。
今回も、貧乏の身で中身のない財布からお金を出して
買って読んだ方がよいのか迷っている。
ただ結論からいうと、
中川氏の「真正保守」「民族派」「極左」の分類について
あまりに独断的すぎて、
学問的客観性を欠いているのではないかと思う。

例えば、福田和也氏および故保田與重郎を
極左に分類しているが、
福田氏は石原慎太郎派と中曽根康弘派の両方に二股を
架けていて、親米保守に分類される。
これが自然な解釈ではないのか?
ただし、彼は習近平次期国家主席と天皇陛下の会見時の
一ヶ月ルール問題では、マスコミに踊らされて失敗した。
それを、保田與重郎に関する本を出したからといって
極左に分類するのは奇異に感じる。
故保田與重郎についても、
彼は、佐藤優氏がたまに言及する権藤成卿と同じ
日本型農本主義者で、
当時の言葉では観念右翼に分類される人物である。
彼は翼賛体制および国家総動員体制には反対している。
戦後には、GHQのニューディーラー達により
公職追放された。
彼が若い頃左翼運動の影響を受けたことを根拠にして
極左に分類するが、やっぱり偏った分類に感じる。
他の人物にも言えるが、
若い頃、左翼思想および運動に傾斜して、
その後、保守に転向した人物はかなりいるはずだ。
それがいけないのであれば、
小林よしのり氏も極左ということになる。
(彼は薬害エイズ問題の頃までは左翼リベラルだった)

第2に、小泉政権の評価について。
中川氏は05年の郵政クーデターなどを支持している。
中川氏の定義では、宮内義彦氏は保守ということになる。
また、05年当時、
ホリエモンは天皇制廃止、共和制樹立を唱えた。
私には国体破壊に見えるが、
中川氏の定義ではこれも保守なのだろう。
外資による公共インフラの私物化、
中産階級の消滅、地域コミュニティーの弱体化などといった
新自由主義的政策
(本当は正確な表現ではないがここでは使用する)は
保守主義に適っているということになってしまう。

第3に、トマス・ジェファーソンは左翼ということに
なっている。
しかし、現代アメリカにおいて彼の歴史的系譜に連なっているのは、
ロン・ポールやティー・パーティー(アメリカ茶会党)などの
反中央集権、反国家統制などを唱える運動であり、
彼らは、現在のアメリカでは右派に分類されている。
それに対して、NYの大資本家の利害を代弁したのが、
ハミルトンたちである。その延長線上にあるのは、
クリントン元大統領やブッシュ前大統領の推し進めた
共和、民主の党派を超えたアメリカの世界帝国化政策だった。
そもそもアメリカ合衆国の本来の国体は、
緩やかな連邦共和国であった。
それが、帝国(覇権国)へと変質していったことに、
日本、アメリカを問わず現代世界のかかえる問題の根幹がある。

中川氏は、アメリカが帝国である事を無条件で支持している。
この点が中川氏と故片岡鉄哉氏の相違点ではないかと思う。
このことが、私には日本の保守の抱えるねじれ現象のように
感じられる。
その他にもこの本についていくつかの疑問点が浮かんだ。
どうやら私は中川八洋氏とは正反対の考えに
たどり着いてしまったようだ。
だから話が最初に戻るが、
この本をお金を出して買おうかどうか今でも迷っている。

政見放送を観るパート2、みんなの党、共産党編

昨日の政見放送を観ながら感じたこと。

みんなの党の主張。
公務員の給料カット、増税批判、
そして、あからさまには言わないが埋蔵金活用論。
微妙なのは、官から民へ、マネタリズム指向、
インフレ的政策、7年以内に道州制導入。
是非については、五分五分だ。
小泉政権の悪い部分も引きずってはいる。
ただし、元々の自民党支持者も含めた保守反増税派の
受け皿として、一定の勢力を確保すると感じた。

共産党。志位和夫はいつもの半笑いの表情。
反米、反資本家を訴えている。
ただし、鳩山前政権に対しては、
自民党、司法、マスコミなどと一体になって
アメリカの駒として小沢たたきに動いたことに関しては
一切触れない。
末端の党員はまじめだが、トップは今では公明党よりも
政治的にはおかしな動きをする。
蟹工船路線。大企業および自民、民主批判。
ただし極めて党派的に動く。
さらに例えて言うと、志位体制の共産党の特徴は、
90年代以降の北朝鮮が、
いつもは悪の枢軸の一角のふりをしながら、
日本や韓国において(政権党の区別を問わず)
対米従属から脱却する動きを見せ始めたとたんに、
タイミングよく事件を起こすのによく似ている。

(追記)
後日、自民党の谷垣総裁単独の政見放送を観た感想。
民主党を批判はしている。
しかし、七奉行派と小沢派の対立には触れていないので、
両派の相違点(増税と反増税など)が
ごちゃまぜになっている。
その後、財政再建について語り始める。
民主党の玄葉光一郎政調会長(七奉行派)と
言っていることが非常に似ている。
放送を観ながら、
このままでは本当に選挙後に増税大連立になる
可能性が高いのではと私は感じた。

(さらに追記)
共産党トップの訪米時に、
オバマ大統領のほかには誰と会ったのだろうか?
日本共産党のアメリカでの受け皿はどの政治勢力か気になる。

2010年6月29日火曜日

備忘、鳩山由紀夫の祖父、一郎の失敗から

「鳩山と小沢は、社民党と組んで、
彼等に部分的に譲歩したから左翼だ!」と言う人々に対して、
1950年代の日本の権力闘争から学ぶ点。

片岡鉄哉「日本永久占領」P392~P393より

(引用はじめ)

  日本の政治は三つに分裂しており、岸が多数派を形成するには、
 吉田か社会党かのどちらかを抱き込むか、少なくとも中和させる
 ことが不可欠だった。吉田を抱き込むか中和させるには、二つの
 手段があった。一つは社会党との超党派外交であり、鳩山と石橋
 は、これを実行したのである。
  蛇足になるが、右と左が手を組むということは、そんなに不自
 然なことではない。社会党はだらしのない政党だと私は思うが、
 社会党に貴重なものが一つだけある。それは独立志向である。だ
 が社会党の独立志向は、ジャン・ジャック・ルッソーのnoble sa-
 vageの独立指向で、一人よがりであり、手段をまったく無視して
 いる。非武装で独立を達成しようとするところに、社会党の誤謬
 があった。
  鳩山と石橋が社会党と手を組んだのは、単なる力学上の計算だ
 けではなく、独立志向の故であった。しかし、鳩山が超党派外交
 をやった結果は、吉田とワシントンの再接近を許し、鳩山は失脚
 することになった。

(引用終わり)

保守政治家が、ある共通の目的のために、左翼と手を組むという手段は
チャーチルやドゴールも行った。その行為は倫理的に善でも悪でもない。
ただし、その結果に対する責任は負うべきだと思う。

(追記)
これを書いている途中に、テレビで政見放送が流れていた。
その感想。
公明党は優等生的であった。ただし、自公連立に対する彼等なりの
決別らしい言及はなされていた(マネタリズムにたいする批判)。
民主党のほうは、
菅直人総理のとなりに七奉行派の小宮山洋子女史がいる。
このことが重要だ。
菅総理が、「なぜ最小不幸社会なのか」という問いに対して、
「強制的に幸福を追求するということは、強迫的になっていく」との発言。
幸福実現党に対する軽い嫌みともとれる。ここだけは面白い。
新しい公共とは社会民主主義的な発想。
ここでは消費税増税には一言も触れなかった。
(さらに追記、後でもう一度観たら、増税論に大きく時間を
 割いていた。私の記憶違い。)
菅総理一人になってから、風呂に入るために観るのを中断した。

2010年6月27日日曜日

民主、自民の演説会が近所で行われた

昨日、近所(仙北市角館)で前原国交相の演説会があった。
私もさあ行こうかと思って見に行ったら
すでに終わっていて、会場には誰もいなかった。
しまった!と思い、後悔しながら帰宅。
今日になってから、
自民党の大島幹事長も近くで演説していたと
後でネットの記事で知った。

前だったら、県庁所在地以外の旧郡部には、
大物政治家を投入してくるということは
あまり見られない光景だった。
小沢の「川上から攻めろ戦術」を、
民主党反小沢派や他の政党も取り入れていることの
あらわれではないかと思った。

私は現在では小沢一郎を支持している人間だが、
クーデター派の七奉行でも、
自民党の古いタイプの政治家であっても、
有権者に対して演説をしたり、
頭を下げて握手をして選挙戦の洗礼を受けて
這い上がってきたという一点において、
官僚よりも政党政治家の方が偉いと思っている。

2010年6月25日金曜日

新潮45の今月号の小沢一郎及び田中角栄論を読んで

新潮45の今月号(7月号)の内容が、ネットで話題になっていた。
私も気になって図書館で少し読んだが、
これは買って読んだほうがいいなと思い、
久しぶりにこの手のオピニオン誌を買って帰り、
家で読んだ。これはその感想である。

最初の舛添要一氏の論文については、次の小沢一郎論と
関連するので除外する。

まず、第一特集「小沢民主の病理を衝く」は、
タイトルから受ける小沢批判という印象と異なり、
批判派と支持派の割合が半々で、
結果的にそれなりにバランスのとれた構成となっていた。
批判派のうち、産経記者 阿比留瑠比氏と
毎日主筆 菊池哲郎氏は、鳩山前総理は言動の軽い人間で
あるという従来どおりの批判だった。

一番偏向していたのは中央大教授 長尾一紘氏で、
小沢氏の野戦軍司令官発言の言葉尻をとらえて、
また小沢は媚中派だ、胡錦涛のポチだ、的な攻撃をしている。
本当に小沢氏の言いたい事は、民自合併のとき、
私は一兵卒としてつくすと言ったこととの対比で、
選挙責任者(幹事長当時)としての自負、ならびに、
彼は自民党やいわゆる第3党のように、
マスコミを使った空中戦には向いていないので、
地道に、選挙区の隅々を回って選挙戦を戦うという意味
だったのではないのか?
それを長尾氏は、中国への媚びへつらいと曲解した。
あと、鳩山前総理の東アジア共同体論をも批判しているが、
長尾氏の文章に通奏低音のように流れているのは、
「小沢や鳩山は左翼だ」という極めて短絡的な論理である。
長尾氏は、鳩山は地球市民主義者だと書いているが、
それでは米共和党ネオコン派はどうなのだ。
彼らは、転向トロツキストの世界革命主義者ではないのか。
彼らが自らの理想の実現のために起こした
イラク戦争に、自らすすんで加担したのが小泉政権だった。
当時、中西輝政氏は読売テレビの番組で、
「アメリカは世界帝国になる」と言い放った。
この事を長尾氏はどう考えるのだろう。

支持派の方は、
まず、佐藤優氏は、「小沢は悪党になれ論」の延長線上だった。
重要だったのは、薬師院仁志氏。
文章の半分は、政治家の世襲や、民主党の地方分権論の批判
だった(半分当たっていて、半分外れていると思うが)。
あとの半分は、平成の大合併の奇妙さや、
小泉竹中体制の分派である新党改革、日本創新党、
および首長連合への批判であり、
結果的に、彼らと連携する舛添要一氏に対する批判にもなっていた。
薬師院氏は、元々、小泉政権の時代に、
自民党体制を批判する本を出していた人物なので、
建設的批判として、民主党(特に小沢系)は、
彼の言葉に対して耳を貸すべきだと思う。

第2特集の田中角栄待望論。
ここで重要なのは、自民党の長老たちの言葉ではなく、
付録CDに収録されている田中の晩年の演説の、
「日本列島改造論」に関する箇所だった。
これを聴いて私は、
田中角栄は無意識のうちにサンシモン主義者と同じことを
行いたかったのだなと感じた。
後藤新平も同じようなところはあるが、
デモクラシーを政権基盤としている点では、
サンシモン主義者だったナポレオン3世のほうと似ている。

20世紀の同時代人では、
1960年代のブラジルのクビチェッキ大統領とも似ている。
彼は在任中、ブラジリア遷都、アマゾン開発などの政策を行った。
ブラジル内陸部の開発はこの時代から始まる。
面白いのは、クビチェッキの政治的な師匠である
ジェトゥリオ・ヴァルガス大統領の政治的な軌跡が、
小沢一郎氏に似ていることである。
それは、彼が旧支配層(オリガーキー)出身でありながら、
ブラジルのポピュリズム(ポプリズモ)の創始者となった事である。
同じように、小沢氏は、
名望家政党である自民党の政治家として生まれながら、
日本に本当のポピュリズムを根付かせようとしている。
その結果が成功であれ、失敗であれ、
小沢一郎の存在により日本の未来が変わっていく。

2010年6月21日月曜日

「国家社会主義論について」その後

前回の文章を書いた後、
近くの本屋で例の2冊を立ち読みした
(あまりの金欠で本を買う余裕が無いため)。
「国家社会主義~」の読後の感想はについていくつか。

まず、ヒトラー及び胡錦涛(の守護霊)については、
予想通り、渡部昇一、中川八洋両氏の国家社会主義論に、
佐藤優、副島隆彦両氏の
ファシズム、コーポラティズム論が接ぎ木された感じの内容に
なっているなと感じた。
加えて、胡錦涛(の守護霊)の部分では、
副島氏の現代中国における善人悪人論までもが
下敷きになっているのではとも思ったが、これはいかに。

菅直人、仙谷由人(の守護霊)の部分、
特に仙谷氏の部分は露骨な選挙対策だな。
基本的な理解として、
これは、渡部昇一氏の民主党政権論にも言えることだが、
これまで鳩山前政権は、
小沢一郎派と仙谷、枝野、前原など七奉行一派との
勢力均衡の上で成り立っていた。
それが、普天間問題の失敗と、
七奉行が菅直人を担ぎ上げて民主党の主導権を奪取したことで、
鳩山前政権は、股裂きにされて崩壊した。
このことが全く書かれていない。
もしくは、意図的に触れられていない。
話がずれるが、
「社民党と連立を組んでいたから、鳩山前政権は左翼政権だ」
という渡部氏などの主張は矛盾している。
それなら、共産党は保守政党で、
国民新党は左翼政党だということになるではないか。
そもそも右翼と左翼、タカ派とハト派、
親米と親中と自主独立のベクトルは異なっている。
だから、左右を超えた合従連衡がしばしば起こると思うのだが。

あと、ヒトラーの霊言の部分で、
サダム・フセインが、
死後、ヒトラーやトウ小平と同じところ(地獄)に
行っているという記述が気になった。
幸福の科学の教義においてサダム・フセインは、
かつて足利尊氏として地上で生まれたことのある
神道系の神々の一人(今、名前が思い出せない)が、
日本からアラブ圏に派遣されたということになっている。
今回の記述は、幸福の科学の政治的な軸足が、
初期の、反米ともとれる部分から、
明らかに親米保守側に移動したことのシグナルだと
私は感じた。

「宇宙人~」の方はまたいつかの機会に書く。

2010年6月20日日曜日

幸福の科学による国家社会主義論について

今日の朝日、毎日両新聞の朝刊に、
大きく幸福の科学の新刊書の広告が載っていた。
題名は「国家社会主義とは何か」
内容は、ヒトラーの霊言から始まり、
菅直人、胡錦涛、仙谷由人の守護霊(とされる人物)の
霊言が収録されているらしい。

まだ本書を読んだことは無いので推測になるが、
全体の構造としては、
渡部昇一、中川八洋両氏の国家社会主義論に、
佐藤優、副島隆彦両氏の
ファシズムまたはコーポラティズム論を
接ぎ木したような内容になるのではないかと推察した。
ただ多分、渡部、中川両氏が学問的検証以前に
ファシズムは無条件で悪であるをいう態度をとっているのを、
そのまま幸福の科学は採用する感じがする。

ただ、最近の幸福実現党を観察して思ったのだが、
普天間問題などにおける
幸福実現党の政治運動としての形態が、
きわめてファシズム的な大衆動員の様相を呈している
印象がぬぐい去れない。
もっというと、党員の集団的な行動パターンが
紅衛兵かヒトラーユーゲントみたいに見えるときがある。
国家社会主義を批判している自分達の運動自体が
国家社会主義的になっていることへの自覚が、
彼らには無いのだろうなと、私はそう感じた。

まあ「紅衛兵」と「幸衛兵」は同音だから
同じだと言ってしまえばそれまでなのだが。

あと、読売新聞の方には「宇宙人との対話」という本の
広告が載っていた。
広告の中身を読んだら、
ベガ星人だの、マゼラン星雲ベータ星人だの、
ウルトラシリーズに出てくる宇宙人と似た名前の
宇宙人が出てきた。
この事を表面的に笑いものにするのは簡単だが、
本当は、幸福の科学による
外国からの大量移民肯定という大問題とリンクしているので、
こちらの方もチェックしておかねばとは思った。

2010年6月19日土曜日

増税大連立、または増税翼賛体制の可能性

今週の木曜日だったか、やはり、菅首相は、玄葉政調会長と共に
消費税10%増税について言及した。
これで、菅直人総理を担ぐ七奉行一派の本質がはっきりした。
橋本政権から小泉政権にかけての自民党と
本質的に同じ体質だ。というか、石弘光氏のように
小泉政権のブレーンから菅政権のブレーンになった人物もいる。
これで、参院選で民主党(小沢系でない)七奉行派が勝ったら、
ほぼ単独政権になるだろうが、もしそうでなかったら、
自民党との増税をキーワードにした大連立の可能性が
考えられる。

この場合、小沢系や国民新党、社民党などは、
かつて翼賛体制に反対した議員たち(保守から左翼まで含まれる)
が結成した同交会のような役割を果たすのではないだろうか。
その意味で、新進党崩壊後、自由党の時代から
増税に反対し続けてきた小沢一郎氏の言動は一貫している。
また、その方が本当の国民全般のための政策として支持できる。

話が変わって、昨日(18日)の太田総理では、
機密費問題をテーマにしていた。
野中発言から1ヶ月半経ってから、
ワールドカップの裏でこのテーマを放送するのは
ナベツネ、氏家体制らしい姑息なやり方だと思う。
しかも、さも鳩山前政権が主にやっていたかのような
いやらしい展開だった。
読売、日テレ系にとっての免罪符として機能させるために
今回の内容になったのだろう。
三宅久之氏も本当は出演するべきだったのに。
ただし、出演者の中では、上杉隆氏については批判も多いが、
佐藤優氏の唱える、
権力党員の定義に当てはまる人物という意味では
彼の言動は一貫していると私は思う。
その意味をふまえて、彼のジャーナリストとしての活動を
判断したほうが賢明だと考えた。

最後に、
ここ最近、故江藤淳氏が小沢一郎氏について書き残した
文章を悪用したと批判されている屋山太郎氏は、
90年代後半には、小泉純一郎待望論を「諸君」に
書いていた。
同じように、山際澄夫氏はゼロ年代前半に、
安倍晋三待望論の本を出していた。
この二人の言動には極めてバイアスがかかっているので、
雑誌やテレビでの彼等の言動には、
よほど注意してかかった方がよいと思う。

2010年6月8日火曜日

「クリーンな政治というものは存在しない論」について

先日、評論家の山崎行太郎氏が、自身のブログで、
「そもそもクリーンな政治などというものは存在しない」という
思想的立場から、鳩山前首相の辞任演説のうちの
いわゆる「政治とカネ」の部分を批判した。
この件について、私は、最初の二日間ほどは
どう判断してよいものか正直迷っていたが、
菅内閣の政治姿勢が明らかになるにつれて、
今では非常に共感できる。

おそらく、鳩山前首相は、アメリカの脅しに屈して、
沖縄県民、社民党に続いて、小沢一郎をも心中という形で
裏切ったのだろう。
それも、公開の場で小沢はダーティーな政治家だという
イメージを植え付ける内容の演説を行って、
自分だけ戦線離脱するというやり方で、
小沢の顔に泥を塗るという悪質なやり方だった。

過去にも書いたように、
政治的にクリーンであるということを追求する政治体制は、
一般国民にもクリーンさを押しつける政策を採り始め、
やがて、結果的に、圧政または暴政が始まっていく。
すでに、表現の自由、通信の自由の分野から、
誰も文句の言えない性表現への規制という形でこの兆候がみられる。
このことが、最終的には日本のコンテンツ産業を窒息させ
衰退させかねない。
また、政治家個人の金銭的自由を制限したら、
最終的には、共産党のような前衛党や、
もしくは宗教政党しか自由な政治活動ができなくなってしまう。
それで最近では、保守系の議員が宗教的組織票頼みで
選挙活動を行ったり、
もともとは小政党的派閥の集合体であった自民党が、
小泉政権時代には前衛党化現象を起こしたりして、
クリーンな政治を追求することにより、
悪い意味での保守政党の変質をもたらした。

この現象について、かつて、渡部昇一氏は「腐敗の時代」の中で
いわゆるダーティーな政治というものを擁護していた。
そのことが気になって、最近の著書や雑誌に載った文章に
あたったりしたが、
私の知る限りでは、最近ではこの件については触れていない。
しかも、小鳩政権への評価について極めて偏った点が見受けられる。
この件については、また後の機会に書く。

2010年6月6日日曜日

菅直人内閣の第2自社さ政権化、そして増税へ

ここ1週間ほどの政治の流れを見ていて、
15、6年前の自社さ政権の頃のことを思い出した。
当時と同じか、さらにおかしな事が
民主党内部の主導権争いで起こったのだと思う。

今回の件で、旧社会党右派および旧社民連が
枝野、前原一派と手を結んだことのダメージが大きかった。
それは、細川政権崩壊の際に、
自民党が旧社会党を連立政権から引き離したことに匹敵する。
当時は小泉純一郎たちYKKや野中広務が裏で暗躍した。
今から思えば、1993年に細川護煕が結党した日本新党は
第2清和会だったのだなと、枝野や前原を見ていて私は感じた。
そしてその中に、自民党と気脈を通じた増税やむなし派が
いることを、私は警戒する。
だから、事業仕分けのときに
自民党のブレーンだった石弘光が
仕分け人のメンバーに加わっていたのだなと、
今の時点で気がついた。
しばらくしたら、菅政権が、国民の福祉再建のためには
消費税を10%前後に上げなければいけないと
キャンペーンし始めるのだろう。
しかし、村山政権のあとを継いだ橋本政権が、
全く同じ論理およびレトリックで当時3%だった
消費税を今の5%に値上げしたのを支持して、
その後、「しまった、騙された!」と思った現在では、
今度もまた同じレトリックには騙されないと
心の中に留めてはいる。

話は変わって、
今回、社民党は連立から離脱して正解だったのではないか。
このまま政権に残っても、民主党の変節に引きずられて、
村山政権のときのように、党勢を弱体化させられる可能性があった。
逆に、国民新党のほうが心配だ。
亀井静香金融相もまた取り込まれたのだろうか?
今のところはわからないが、
もしそうだったら、国民新党は民主党に吸収合併されかねないし、
そうでなかったら、
枝野、前原、仙谷ら菅首相を担いでいる勢力と対立して、
連立を離脱する可能性もある。
しかも、そちらのほうが現状では賢明な選択なのかもしれないが、
はたして亀井氏はどうでるのだろうか。

2010年5月28日金曜日

横田基地問題を棚に上げる石原都知事の鳩山批判

今回の全国知事会に出席した石原慎太郎都知事が、
鳩山首相のやり方はナンセンスだという趣旨の発言を
マスコミ向けに行ったが、
彼のお膝元の横田基地問題では、
知事初当選から10年以上たってもほとんど進展がない
公約破り状態になっている。
それにくらべたら、今回は敗れたにせよ、
鳩山首相は、就任1年以内のこの時点で、
アメリカと愚直に正面から交渉した姿勢が、
沖縄県民だけでなく日本国民すべてに対して
真摯な態度ではないのかと私は感じた。

石原都知事が1999年に初当選したときの公約の一つに、
横田基地のアメリカからの返還および、
民軍共用にして成田、羽田に次ぐ首都圏の第三の国際空港化という
ものがあったが、
今ではほとんど無かったかのように扱われている。
マスコミ的に言えば、この公約を支持して彼に投票した人達に
対する説明責任を石原都知事は果たしていない。
この二つの件を比較して、
石原慎太郎は、本当は民族派の皮をかぶったポチ保守なのだなと
判断して、離れていく元支持者も一部だろうがいるのではないか。
私も昔はそうだったから、
片田舎から中央の動きを観察していて
多分そうなるだろうと判断している。

2010年5月22日土曜日

太田光と中沢新一の関係は今どうなっているのか?

昨日の晩、父親が居間のテレビで太田総理を観ていたが、
それを隣の台所で聞きながらふと思ったことがあった。

私はこの番組が嫌いなので、最近は全く観ていない。
その理由として、
数年前に、「憲法九条を世界遺産に」という本を
中沢新一との共著として出した人物として、
最近のこの番組での言動が、
ほとんど転向といってもいいほどぶれていると感じるからだ。
もともと新左翼よりも古い、
1950年代的左翼といってもよいぐらいの
思想傾向の持ち主だった彼が、
最近では、竹中平蔵ばりの新自由主義者か
宗教右翼の人間にすら感じられる。
たぶんナベツネの圧力なんだろうが、
読売新聞本体や、たちあがれ日本が改憲を唱えだしたら、
太田光自身が改憲論を言い出す可能性がある。

その上で、太田光と中沢新一との関係は
今どうなっているのだろうかと考えてみた。
現在では、昔に比べて二人の関係が
ギクシャクしている可能性がありうると思ったことがある。
昨年(09年)2月、
NHKの爆問学問に藤枝守が出演したときの
互いに話が噛み合わない微妙な放送を観た時の印象から
今に思えばそう感じられるのだ。
藤枝氏の著書「響きの考古学」の
平凡社ライブラリー版の解説を中沢新一が書いている。
他にも一緒に仕事をしたことがあるので、
藤枝氏は中沢人脈に連なる人物と判断できる。
太田光はこのことを分かっていて、
このような態度に出たのかなと私は推測した。

そういえば、話は変わるが、
一部で有名なあの三宝会という団体名の「三宝」が
仏教用語なのがすごく気になった。
新聞やテレビなどの中枢にも、
いわゆる「保守のカルト汚染」と同じ現象が
起こっている可能性が考えられる。
これからも、マスコミの報道にどのようなバイアスが
かかっているのか、観察していこうと思っている。

2010年5月17日月曜日

能楽堂ライヴに行って

昨日(17日)、大仙市協和にある唐松神社近くの能楽堂で
行われたライヴを観に行ってきた。
ディジュリドゥ奏者の玄武という人と、
フォークトロニカの2人組バンドHerr(ヒア)の
二組の演奏だったが、会場への到着が予定よりも1時間近く
遅れてしまい、1ステージ目の玄武の演奏は到着と同時に終了。
休憩を挟んで次のHerrの演奏がスタート。
歌ものの弾き語り+空間系エフェクターを多用したギターに
時折シンセなどの効果音が入る。
曲によっては、歌詞が私小説フォーク的なところもあったりして、
個人的にはどうかなという所もあったが、最後の曲は良かった。
その後、また休憩をはさんで、
玄武とHerrのジャムセッションがスタート。
これはアンビエントかつミニマルで、
途中、ギターとシンセの絡みが
マニエル・ゴッチングをイメージさせたりもして、
それはそれで面白かった。
休憩中、バンドのメンバーとは少し会話をしたが、
この手の音楽性(音響系以降)のバンドは、
秋田市や盛岡市などの都市部は別として、
このあたりではほとんどいないらしい。
多分そうだろうな。
私も、バンドメンバー募集の広告を出したことがあるが、
2人ぐらいしか連絡がこなかった。
その日は夜にもイベントがあったようだが、
そちらには顔を出さずに帰宅の途についた。

2010年5月12日水曜日

三宅久之、第3極あるいは第3党

今週の月曜に、テレビをつけたまま履歴書を書いていると、
TVタックルが始まって、
三宅久之がしれーっと何事も無かったかのように出演していて、
いつものように厚顔無恥に話しているのを観て、
私は途中で不愉快になってテレビを消した。

彼は、例の野中広務発言から始まった機密費疑惑には
一切触れずに、これからもテレビに出演し続けるのだろうか。
日曜日のやしきたかじんの番組は、
この前は、私の地元ではマラソンのため放送していなかったが、
他の地域ではどうだったのだろうか?
宮崎哲弥も同じだ。

こんな内容の番組ばっかりたれ流すのだったら、
テレビは滅んでも仕方がないと思う。
それこそ自業自得または自己責任そのものではないか。


話は変わるが、新聞やテレビで、
イギリスの第3党である自民党の報道をやたらに目にするが、
アメリカの第3極または第3党としての
ティーパーティーの運動については、
私が知っている限りでは、読売新聞が一度だけ報道しただけで、
日本では、ネット言論を除いてはほとんど目にすることはない。
90年代のロス・ペローの改革党の運動や、
ゼロ年代初頭の緑の党と比べても、
全然報道されない。

イギリスの自民党は元々ホイッグ党~自由党の流れなので、
トーリー党が前身の保守党と連立することで、
無産政党である労働党に対する有産階級の政党として、
本当の意味での二大政党制になるのではないのかと
思うのだが。

話が戻って、
92年頃、音楽雑誌「クロスビート」の
ソニック・ユースのインタビューで、
個人名は思い出せないのだが、
メンバーが、ロス・ペローの運動について聞かれたとき、
あれはレッドネックの運動で、パパブッシュよりも
悪いという趣旨の発言をしていたのを記憶している。
当時は、私はその本当の意味を理解していなかったが、
いまでは、リベラルで進歩的な都市住民達が
本音では、田舎の人間達を蔑視しているのではないかという
象徴的な発言だったのだなと感じるようになった。
日本でも本当はそうなのではないか。
田舎住民がそう思われても仕方ない部分はあるのは
事実だが、
都市と田舎の両方の人間達を見てきた私は、
もやもやとした、何か釈然としないものを感じている。

2010年1月15日金曜日

マスコミこそ説明責任があるのではないのか?

昨日と今日(14,15日)の、
新聞各紙の小沢一郎に関する記事を読んでみた。
朝日、読売、産経、日経及び、
地方紙(河北新報、秋田魁新報)では、
今回の検察の強制捜査の理由は、平成16年(2004年)の
4億円が不記載であるためということになっている。
毎日だけは金額および理由が異なっている。
ほかにも、テレビやネット上では、色々な情報が入り乱れている。
ただ、基本的には、ほとんどの新聞では4億円が不記載であるとの
断定がされている。

この件については、
今月10日のサンデープロジェクトの番組内で、
郷原信郎氏が2004年度官報に記載されていると、
官報のコピーを見せたことが知れ渡っているのに、
新聞各紙は、これを無かった事にしようとしている。
しかも、この件が広まると、
17年度の4億円も含めて8億円だと書き出したりして、
まるで、小沢氏の政治資金全体がいけないという
問題にすりかえられているとしか思えない。
これではロッキード事件と同じではないのか。

それでは新聞業界が山本一太議員に献金した3千万円は
問題は全くないのだろうか。
この件についてのマスコミからの説明は聞いたことが無い。
ほかにもいるだろうが、それらと小沢氏の政治資金との違い
についてマスコミには説明責任がある。

小室直樹氏が、ロッキード事件の時の報道について、
法律の議論と、立憲の本義(議会政治の原則)と、
倫理の議論とが混同されていると書いたことがあるが、
今回も、マスコミと検察は同じことを行っていると思える。
マスコミと検察が、民主的に選ばれた政治家をターゲットにして、
失脚に追い込むというやり方は、
昨年のホンジュラスの大統領亡命を思い起こさせる。
中南米や東南アジアで軍部が行っていることを、
日本では、検察、警察、マスコミが行っている。

政治資金の件に戻るが、
そもそも個人としての政治家の政治資金を
規制してしまったら、
公明党のような宗教政党や、
共産党のような前衛党タイプの政党しか
政治活動ができなくなってしまうではないか。
これでは民主主義が窒息してしまう。
そのせいか、現在の自民党は宗教右翼とレイシストを
支持基盤とする政党になってしまった。