2009年3月29日日曜日

今回のクーデターについて

今回の検察、マスコミによる小沢攻撃は、
どうも、02年のムネオハウス騒動に始まった政治家の大量失脚や
05年の郵政総選挙(憲法違反)に次ぐ、
親米、属米派による政治的クーデターの様相を呈してきた。
この3つの間にも、村岡兼造議員(秋田県選出)逮捕による
旧橋本派分裂や、07年の大連立騒動などの小クーデターがあった。
最近では、小沢氏だけではなく、後継と目される岡田克也議員や
自民党内の親中国派もまとめて一緒に潰してしまえ。といった
傾向すら見られる。まさしく、鈴木宗男だけでなく、
田中真紀子や社民党の辻元清美らも巻き添えにして
一時的に失脚させたムネオハウス騒動と同じ構造だ。
またこの事件で日本の国益が損なわれる。

この件で重要なことは、反麻生、反小沢の勢力につくということは、
共産党や公明党でなければ、
小泉竹中路線直系の、中川秀直、小池百合子一派と、
その民主党内別働隊の、前原誠司らを支持する以外に
現状では選択肢はないということだ。(※)
この点で、私的な小沢氏に対しての敵意と、客観的な分析とを
混同している森田実氏の分析は間違いだと思う。

あと、この前のマックス・ウェーバーからの引用でもふれたが、
小室直樹も同じような、
(民主主義(民主政)における政党とは、
本来、部分の代表である限り、企業や個人からの資金によって動く
ものが原則である。それを否定したら一国一党(翼賛体制)になる。)
という理由から、
田中角栄を民主主義的政治家そのものとして高く評価していた。

小沢氏も田中角栄の系統だ。そのため、古い田中派的体質の
政治家と言われるが、彼が倒されてこの流れが途絶えたら、
さらに古い体質の藩閥政治以来の流れを引く、
官僚閥の政治家たちに日本が支配されるだろう。
福祉のためと言いながらアメリカにカネを貢ぐための、
小さな政府で大増税といった矛盾したやり方が今後も続く。
逆に、小沢氏は90年代から一貫して、
税金は上げるなという態度をとり続けてきた。
欠点は多いが、少なくとも信用がおけると今のところは思っている。

(※)この件で、民主党内で小沢氏を攻撃した一人である
   小宮山洋子氏の正体がはっきりしてきた。
   彼女は06年の皇室典範論議のとき、
   はっきりと女系天皇支持の態度をとっていた。
   大沢真理、上野千鶴子ら
   官僚支配支持、反民主的体制派フェミニストの一員であると同時に
   中川、小池一派の別働隊だ。
   (支配階級の女性の権利しか考えない、民衆や貧乏人の女性の
   ことは切り捨ててもよいと思想的に考えるエリート集団でもある)
   
   おそらく隠れ1条改憲派だろう。最近本を出したホリエモンと一緒だ。
   9条改憲派の内部に、隠れ1条改憲派が紛れ込んでいることに
   今後とも、私たちは警戒しなければならない。

2009年3月25日水曜日

とうようズトークの内容に失望

ミュージックマガジン4月号を読みながら、
「中村とうようもこんなになってしまったか!」と、
とうようズトークの内容に首をひねってしまった。

ここ数年感じていた事なのだが、
この人の政治感覚は、ロッキード事件の頃で止まったままだな。
この前に触れた小林信彦のとは全然ちがう。
「企業献金=悪」という短絡的な考え方から抜け出せないのだろう。
あと、バラク・オバマの「CHANGE」を文章の中で
使っていたが、
「CHANGE」だの、「グリーン・ニューディール」だの
中川秀直、小池百合子一派とそれに踊らされる人々に限って、
オバマのスローガンを引用したがる傾向がある。
両者の政治思想は正反対だが、
その点を理解できずに
TVや新聞の報道だけを鵜呑みにして文章を書くのは、
短絡的だ。
元々は転向左翼だった人間が、ノンポリよりも
この点を見抜けないというのは、右か左かという区別よりも
個人個人の資質の問題なのだと思う。

新潮45の今月号に載った、
佐藤優の論文に書いてある事はは真実なのだろう。
民主党中心の政権になったら、鈴木宗男が田中真紀子と手を組んで
外務省に乗り組んでくるのを恐れた外務官僚たちが、
検察とマスコミの今回のクーデター(捜査というには杜撰だ)
を支持しているという内容だった。
それと、この前の中川前財務相の辞任劇での
財務官僚の動きをも考えると、
検察や警察だけでなく、他の省庁の内部にも同調している勢力が
いると考えられる。

そういえば、3月25日深夜の、
NHKの予算審議の放送中に、
民主党側から、検察が政治に介入したのではないのか?という
意見があった。

2009年3月19日木曜日

これはひどいな産経新聞

3月18日(水)の産経新聞に、私の住んでいる秋田県の
寺田知事が、小沢一郎氏と西松建設との関係を知りながら、
これを黙認していたらしいという内容の記事が載っていた。

記事を読みながら、これは地方蔑視の匂いがするなと感じた。
そりゃ、地方政治は末端になればなるほど泥臭い利権が絡んでいるし、
変な公共工事が行われているのだってこの目で見ている。
それに、私は、今の寺田体制は民主党なのにプチ自民党的で
個人的には嫌いだ。
それでも、地方の民主党など野党の勢力をつぶそうとする
悪意をこの記事から感じた。

そういえば、この前だって、今では竹島問題よりも重要に
なってしまった対馬問題を、なんとかしろと記事にしながら、
この問題にいちばん熱心だった、中川昭一氏の失脚に加担したり、
産経新聞も保守を名乗るくせにやることがバラバラだ。

だいたい、政党政治とカネの問題なんて、
18世紀にイギリスで政党政治が生まれた頃から存在しているので
深く追求するのなら、そこまでさかのぼるべきなのだ。
この時代の代表的政治家ウォルポール卿については、
渡部昇一氏の「腐敗の時代」に詳しく書かれている。
(この本の内容はそのまま、半世紀後の日本で金権政治家として
失脚させられた田沼意次擁護論や、さらに時代を下って
田中角栄にも適用される)
渡部昇一氏はこの騒動についてはどう思っているのだろうか?
あとは、民主政治の金銭面での問題について、
マックス・ウェーバーの講演録「社会主義」の第2章、
「民主主義、官僚制、社会主義」にも書かれている。
なぜ、19世紀のアメリカ人は、専門化された官僚制よりも
カネに汚くて泥臭い猟官制を選択したのか、
その理由としての高学歴の官僚が自分たち民衆を支配することへの
根強い不信感が描かれている。

しかしまあ、今回の件は、「第7艦隊発言」に対する報復なのは
見え見えなのに、それでも小沢攻撃をする産経(読売もひどい)は、
保守を名乗るのはやめたらどうだろうか?
彼等のやっていることはどう見ても売国奴の所業だ。


追記、今週の週間文春の小林信彦のコラムは鋭い内容だった。
ノンポリだけど、感覚のしっかりしている人間というのは
こんな感じだと思う。

2009年3月2日月曜日

きのう観た番組で思い出した事

昨日(3月1日)、

ETV特集「ひとりと一匹たち 多摩川河川敷の物語」を観た。
多摩川の河川敷にバラックを建てて住んでいるホームレスの人たちと、
野良犬、及び猫たちを撮影し続けている、
写真家の小西さんとの交流を軸としたドキュメンタリー。
テレビに映っている風景は、私が前にここの近所に住んでいたので、
見慣れたものばかりだ。
川崎市の、中原区から多摩区にかけてのエリアで撮影されたように
感じる。川の向こうは少し歩けば田園調布に行き着く。
番組のテーマを別にして、単純になつかしいと感じた。
バラックの近くでは、子供たちがサッカーやテニスをしている光景を
よく目にした。
私だっていつこうなるか分からないと思いながら。
今でもそうだと思う。紙一重の人生だ。
この番組では、今では放送できない「乞食」「土方」といった
単語がカットされずにちゃんとオンエアされていた。
そのこと自体は正しいと感じる。隠すことは良くない。

途中、少し裏番組にチャンネルを変えたら、
ちょうどフジ系列でオウム真理教事件と狛江の水害の話が
放送されていた。うーむ。